15歳でwebマガジンの編集長!タヴィ・ジェヴィンソンってだれ?

いわゆる「ガールズカルチャー」という言葉でくくられる、

女性向けエンターテイメントやポップカルチャーに私はよく疑問を抱く。

 

業界全体が、「典型的なティーンの女の子ってどんなふう?」「彼女たちはなにを欲している?」(というか、むしろどうすれば彼女たちの気をひくことができる?)というありがちな問いかけへの答えをもとに成り立っているように見えるのだ。

 

ティーンエイジャーや若い女の子たちの姿を、ありのままに肯定しているような素振りを見せつつも、実はそれは「こうあってほしい」という中年男性たちの願望、もしくは「彼女たちはこういうのが好き!」という上から目線の勝手な決めつけだったりする。

 

本当は、そんなドラマが描くような完璧な青春を謳歌しなくても、私たちは十分豊かに暮らしていける。

 

しかし、多くの女の子たちが、それらの作り出された「型」にはまらなければ、「ふつうの女の子」にはなれないんじゃないかと心配する。メディアの描く女性像に縛られてしまう。だから、美を追求しすぎて拒食症になってしまったり、ヒステリー気味になってしまったりする女の子もいる。勉学に対して情熱を燃やしていても、それらを「作り出された女性像」と引き換えにあっさり捨ててしまう人もいる。

 

女の子は大変だ。

メディアの言うことを完璧に信じたら、

美しさと賢さの両方兼ね備えた完璧な女性にならなければ、自立して生きていくことはできないことになるのだから。

 

たしかに、美しくなること・青春を謳歌すること・恋をすることは素晴らしいことではある。けれど、そのマスメディアの振りかざすティーンへの型に、わたしらは必ずしもはまる必要はない。

 

私は大学に入ってから、たくさんの文学や演劇に触れたり、人文学の学びを深めることによって、このことに気づいた。

ティーンの時にそれに気づいていたら、どんなに人生が楽になったことだろう。

 

タヴィ・ケヴィンソンは「ROOKIE」というWEBマガジンの編集長であり、ライターであり、女優である。

彼女がすごいのは、15歳の時に、このことに気づいたことだ。

そして、ルーキーの読者層を「こうだ!」と断定もせず、

願望を押し付けるわけでもなく、

等身大のありのままのティーンを認めるような、

素敵なウェブマガジンを作り出した。

 

ITの世界の素晴らしさは、参入障壁が低いところだ。

15歳の少女でも、インターネット発の素敵なポップカルチャーを生み出せることを彼女は証明してくれた。

今、日本のエンターテイメント業界はしがらみばかりで組織疲労している。

そして、やはり業界全体の男女比もあるのか、女性の視点のものが生まれにくい。

 

でも、インターネットを起点に、新たなマネタイズの方法を考えたり、

ポップカルチャーのビジネスモデルを立て直せたりすれば、

また素敵な作品は生まれるのではないかという確信が、わたしにはある。

彼女のアメリカでの成功は、世界の女性や、エンターテイメントに携わるものを間違いなく勇気付けたと思う。

 

 

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