ベルリンの女性エンジニア 電力を必要としない冷蔵庫を発明

ベルリン在住の女性エンジニア、Julia Römer氏が2012年に立ち上げたスタートアップ企業、Coolarが電力を必要としない冷蔵庫を開発しました。本年度末までに初回生産の50台を発売する予定です。

 

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© coolar

 

Coolarは電力の代わりに太陽熱で稼働します。 冷蔵庫内部に納められた蒸留水が蒸発するときの気化熱と、真空容器内のシリカゲルの吸湿・放湿作用により水が蒸発・凝縮を繰り返すサイクルを利用して冷却するしくみ。

 

 

(Coolar)

プロトタイプ (© Coolar)

 

Coolarのメリットは、

 

  • 冷却材も電池も不要なため、シンプルな作りで丈夫
  • 有害物質を含まないため、廃棄が簡単
  • コンプレッサーがないので、静か
  • Co2放出量は従来型の冷蔵庫の1/10
  • 電力を使わないため、維持費用は従来型の冷蔵庫の1/4以下

 

エコロジカルで経済的なこの冷蔵庫は、先進国での電力節約や温暖化防止に役立つだけでなく、 途上国での利用が大いに期待されています。「国境なき医師団」との協力のもと、アジアやアフリカの電気の通っていない地域において、主に医薬品の冷蔵に使用される予定です。

 

 

こうした画期的なアイディアが注目され、Coolarは2015年度、EIT Change AwardOff-grid Expert Awards 、そしてStartGreen Awardという3つの賞にノミネートされ、また、同年11月にRömer氏は、最も優れた女性起業家に授与されるDarboven Idee Prize を獲得しています。

 

 

 

参考:

Neuartiger Kühlschrank benötigt keinen Strom (科学サイト、Forschung und Wissenの記事)